12月になり、本格的な寒さがやってきました。今年はインフルエンザも早い時期から流行しており、寒さに加えて空気も乾燥しやすい季節です。体調管理にはいつも以上に気をつけたいです。そんな冬に旬を迎えるのが「ゆず」です。ゆずにはビタミンや食物繊維など、冬に不足しがちな栄養素がたっぷり含まれています。ここでは、ゆずに含まれる代表的な成分として、ビタミンC・クエン酸・ヘスペリジン・リモネン・食物繊維の5つをピックアップしてご紹介します。 【ビタミンC】ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、体内でつくることができないため、食事からとる必要がある栄養素です。主な働きは2つあります。コラーゲンの合成を助ける皮膚・骨・血管などの構造を支えるたんぱく質「コラーゲン」をつくるときに欠かせないのがビタミンCです。そのため、肌や血管、骨の健康維持に役立ちます。抗酸化作用で体を守る体の中では日々「活性酸素(フリーラジカル)」が発生し、細胞を傷つける原因になります。ビタミンCにはこの活性酸素を抑える抗酸化作用があり、体を酸化ストレスから守る働きがあります。 【クエン酸】クエン酸は、柑橘類に多く含まれる酸味のもととなる有機酸の一種です。レモンやグレープフルーツなどと同じように、ゆずの爽やかな酸っぱさにもクエン酸が関わっています。クエン酸は「抗疲労成分」としても知られており、主に次のような働きがあります。エネルギー産生(ATP産生)を助ける私たちの体は、糖や脂肪を分解して「ATP」と呼ばれるエネルギーをつくり出しています。このとき働いているのが「TCA回路」と呼ばれる代謝の流れで、クエン酸はこのTCA回路の中で重要な役割を担っています。クエン酸をしっかりとることで、エネルギーを効率よく生み出しやすくなり、疲労回復につながります。乳酸の蓄積をおさえる疲れているときは、筋肉の中に「乳酸」がたまりやすくなります。クエン酸が十分にあると、TCA回路がスムーズに回り、乳酸が再びエネルギー源として利用されやすくなります。その結果、乳酸の蓄積が抑えられ、だるさや疲労感の軽減が期待できます。 【ヘスペリジン】ヘスペリジンは、ゆずの皮や薄皮の部分に多く含まれるフラボノイドという成分で、「ビタミンP」と呼ばれることもあります。主な働きは次の2つです。抗酸化作用ビタミンCと同じく、活性酸素を除去して体を酸化ストレスから守る働きがあります。血行改善作用毛細血管を丈夫にし、血管の透過性(血液や水分がしみ出す程度)を正常に保つとされています。その結果、血行がよくなり、冷えやむくみの軽減にも役立つと考えられています。 【リモネン】リモネンは、柑橘類の皮の部分に多く含まれる精油成分(香りの成分)で、モノテルペン類と呼ばれる仲間の一つです。ゆずのさわやかな香りにも、このリモネンが大きく関わっています。リモネンには主に次のような働きがあります。抗炎症作用炎症を引き起こす物質(サイトカイン)の産生を抑えることで、体の中の炎症反応を和らげる働きが期待されています。抗酸化作用ビタミンCやヘスペリジンと同様に、活性酸素を抑える抗酸化作用を持ち、体の酸化ストレスを軽減するのに役立ちます。これらの作用を通して、免疫機能の調整やアレルギー症状の軽減が期待できます。 【食物繊維(ペクチン)】ゆずには、ペクチンという水溶性食物繊維が含まれています。ペクチンには大きく分けて2つの働きがあります。ゲル化作用ペクチンは胃や腸の中で水分を吸って、ゼリー状(ゲル状)に変化します。このゲルが、腸の中をゆっくりと流れることで、栄養素の吸収をゆるやかにしたり、お腹にたまりやすくするなどの効果が期待できます。腸内環境の改善ペクチンは「発酵性食物繊維」として腸内細菌のエサになり、発酵される過程で短鎖脂肪酸という物質がつくられます。短鎖脂肪酸は善玉菌の栄養源となり、善玉菌を増やすことで、腸内環境の改善や、便通の改善にもつながります。また、便のかさを増やすことで、スムーズな排便を助けてくれます。 いかがでしたでしょうか。冬の寒さが厳しくなるこの時期、ゆずは体をぽかぽかと温めてくれるだけでなく、ビタミンCやクエン酸、ヘスペリジン、リモネン、食物繊維など、体の内側から元気をサポートしてくれる成分がたくさん含まれています。ゆず茶や煮物や鍋の香りづけなど、日々の食事や飲み物に、ぜひ「ゆず」を取り入れてみてはいかがでしょうか。