古くから珍重されてきた「田七人参(でんしちにんじん)」。高麗人参を大きく上回るサポニンをはじめ、現代人に不足しがちなミネラルや特有のアミノ酸を豊富に含み、「人参の王様」とも称されています。そんな田七人参ですが、「一体どこで、どのようにして育てられているのか」をご存知でしょうか。実は、田七人参はどこでも栽培できるわけではありません。世界中を探しても、限られた特定の地域、特定の環境でしか育たない非常にデリケートな植物です。田七人参の故郷である原産地スポットにスポットを当て、その土地が持つ驚異的なパワーや、なぜそこでしか育たないのかという理由、そして過酷な栽培の裏側までを詳しく解説します。田七人参の故郷はどこ?世界唯一の主要産地田七人参の原産地であり、現在も世界の生産量の大部分を占めているのは、中国の南西部に位置する「雲南省(うんなんしょう)」です。弊社、白井田七の田七人参も雲南省産です。その中でも特に、ベトナムとの国境にほど近い「文山壮族苗族自治州(ぶんざんそうぞくみょうぞくじちしゅう)」という地域が、古来より最高品質の田七人参を産出する「名産地」として世界的に知られています。歴史的な文献を紐解いても、田七人参の名前の由来となった地名「田陽(現在の広西チワン族自治区の一部を含むエリア)」をはじめ、この中国南西部の限られた山岳地帯こそが、田七人参が地球上で生まれ育った奇跡の故郷なのです。現在、日本国内で流通している信頼性の高い田七人参のサプリメントや原末の多くも、この雲南省文山産の原料が使用されています。なぜ雲南省文山なのか?田七人参が求める「奇跡の環境」植物にはそれぞれ適した生育環境がありますが、田七人参が求める環境は極めてワガママで、人間によるコントロールが非常に難しいことで知られています。文山という土地には、田七人参がすくすくと育つための「3つの奇跡的な条件」が揃っています。標高1,200〜2,000メートルの高地という条件田七人参の栽培地は、なだらかな平地ではなく、非常に標高の高い山岳地帯です。一般的に、標高1,200メートルから2,000メートル前後の斜面が最適な栽培地とされています。この高さにある土地は、空気の透明度が高く、太陽の光(紫外線)が非常に強い一方で、年間を通じて気温が適度に低く保たれるという特徴があります。この「強い光」と「涼しい気候」の絶妙なバランスが、田七人参の成長に不可欠です。「春の如き気候」と呼ばれる年間を通じた温暖湿潤環境雲南省は、中国国内でも「常春(とこはる)」と表現されるほど、一年を通じて穏やかな気候で知られています。夏は極端に暑くならず、冬も厳しい寒さにはなりません。さらに、南シナ海やインド洋から運ばれてくる湿った空気の影響で、適度な降雨量と高い湿度が保たれます。乾燥に極めて弱く、かといってジメジメしすぎると根腐れを起こしてしまう田七人参にとって、この「年間を通じて変化が少なく、適度な潤いがある気候」は、まさに天恵の環境と言えます。特有の赤土「紅土(こうど)」に含まれる豊かな栄養気候だけでなく、「土」にも秘密があります。雲南省文山一帯の土壌は、鉄分やアルミニウムなどのミネラルを豊富に含んだ「紅土(赤土)」と呼ばれる特有の粘土質な土壌です。この赤土は弱酸性から中性を保ち、植物が生きるために必要な微量元素(亜鉛やマグネシウムなど)が自然な形でたっぷりと溶け込んでいます。田七人参は、この大地の滋養を何年もの歳月をかけて一滴残らず吸い上げることで、あの圧倒的な栄養価をその身に宿すことになるのです。大地のエネルギーを吸い尽くす栽培の過酷さ田七人参の原産地を語る上で外せないのが、その栽培方法の過酷さと、土地に与える影響の大きさです。中国では古くから、田七人参の価値を「金不換(お金に換えられない貴重なもの)」と称してきましたが、それは単に環境が珍しいからという理由だけではありません。収穫までに3年から7年という果てしない歳月田七人参は、種をまいてから収穫できる大きさに育つまでに、最低でも3年、長いものでは7年もの歳月を必要とします(これが「三七人参」と呼ばれる理由でもあります)。この長い期間、農家の人々は毎日欠かさず畑を見回り、天候の変化からデリケートな人参を守り続けます。直射日光に弱いため、畑全体に「遮光ネット」や「藁(わら)」で日よけの屋根を作り、光の量を職人技で調節しなければなりません。病気や害虫にも弱いため、一瞬の油断が数年間の努力を水の泡にしてしまう、まさに命がけの栽培が行われています。収穫後は10年間、雑草すら生えない?田七人参の最も驚くべき特徴は、その凄まじい「吸肥力(土の栄養を吸い上げる力)」にあります。3〜7年をかけてじっくりと育つ間に、周囲の土壌に含まれるミネラルや栄養素を、まるでスポンジのように限界まで吸い尽くしてしまいます。そのため、一度田七人参を収穫した後の畑は、完全に栄養が抜け殻の状態になってしまうのです。現地では歴史的に「田七人参を収穫した後の土地は、その後10年間は雑草すら生えないほど荒れる」と言い伝えられてきました。現代の進んだ農業技術をもってしても、一度収穫した土地で再び田七人参を栽培するためには、少なくとも何年間も土地を休ませ、緑肥を植えたり土を耕し直したりして、大地の力を回復させる必要があります。つまり、田七人参の原産地である雲南省文山では、無限に人参を作り続けられるわけではなく、広大な土地をローテーションさせながら、自然の回復力を待って少しずつ栽培しているのです。この希少性こそが、原産地ブランドの価値を高めている大きな要因です。高麗人参の産地との決定的な違い「人参」と名のつく健康素材として最も有名な「高麗人参(朝鮮人参)」と、田七人参の産地にはどのような違いがあるのでしょうか。同じウコギ科の植物ですが、その故郷は北と南で真逆の位置関係にあります。寒冷な「北」で育つ高麗人参高麗人参の主な原産地は、韓国や北朝鮮、中国の東北部(旧満州地域)といった、冬の寒さが非常に厳しい寒冷な地域です。雪に覆われるような厳しい寒さに耐えることで、独自の成分を蓄える特性を持っています。温暖な「南」で育つ田七人参一方で田七人参は、先述の通り中国の南部に位置する温暖な亜熱帯・高山地域(雲南省)が故郷です。寒さに耐えるのではなく、高地の強い紫外線と、年中穏やかな暖かさ、そして豊かな雨の恵みによって育ちます。このように、育った故郷の環境が全く異なるため、植物としての性質や、含まれる栄養成分のバランスにもそれぞれの個性が生まれます。特に、サポニンの総量や種類においては、温暖な高地でじっくり大地のパワーを蓄えた田七人参が、非常に濃厚な組成を持つことが分かっています。大自然の奇跡と農家の情熱が詰まった原産地の恵み田七人参の原産地である中国雲南省文山は、高山ならではの強い光、年中穏やかな気候、そして豊かな大地の三拍子が揃った、地球上でも極めて珍しい「奇跡のユートピア」です。お金にも換えられない「金不換」という別名は、この限られた特別な地で、大地の栄養を極限まで吸い上げながら、何年もの歳月をかけて大切に育てられるという背景があるからこそ、数百年もの間守られてきました。弊社がご提供する「白井田七」の一粒一粒には、雲南省の雄大な大自然のエネルギーと、過酷な環境で人参を守り抜いた農家の人々の情熱がぎゅっと凝縮されています。日々の健康維持や生活習慣のサポートとして田七人参を選ぶ際は、ぜひその遥かなる故郷の物語に思いを馳せながら、大地のパワーがたっぷり詰まった本物の品質を選んでみてください。