「健康維持のために、古くから伝わる漢方や生薬に興味がある」「田七人参(でんしちにんじん)と三七人参(さんしちにんじん)って、よく耳にするけれど何が違うの?」健康志向が高まるなか、サプリメントや健康茶の成分として注目を集めている「田七人参」。しかし、ネットやお店で調べていると「三七人参」という非常によく似た名前も見かけますよね。「これらは全く別の植物なの?」「どちらを選べばいいの?」そんな疑問を抱く方も少なくありません。結論から言うと、田七人参と三七人参は「同じ植物」を指しています。では、なぜ2つの異なる名前が存在し、どのように使い分けられているのでしょうか?この記事では、田七人参と三七人参の名前の由来や違いをはじめ、含まれる優れた栄養成分、毎日の生活への取り入れ方、そして品質を見極めるための選び方のポイントまで、わかりやすく徹底解説します!田七人参と三七人参の違いとは?まずは一番気になる「違い」の結論から詳しく紐解いていきましょう。冒頭でお伝えした通り、学術的にはどちらもウコギ科人参属の植物であり、植物としては全く同じものです。では、なぜ呼び名が2つあるのでしょうか。それには「栽培地」と「成長の歴史」という2つの理由が深く関係しています。「田七人参」と呼ばれる理由:産地が由来「田(でん)」という一文字は、中国の「雲南省文山壮族苗族自治州(うんなんしょう ぶんざんそうぞくみょうぞくじちしゅう)」にある「田陽(でんよう)」という地域(現在の広西チワン族自治区の一部を含むエリア)に由来しています。この地域は、古くから高品質なこの人参が採れる名産地として知られていました。「田陽地方で採れる三七人参」ということから、親しみを込めて、またブランドの証として「田七人参」と呼ばれるようになったと言われています。現在、日本国内の健康食品市場やサプリメントのパッケージでは、この「田七人参」という名称が広く一般的に使われています。 「三七人参」と呼ばれる理由:成長の神秘が由来一方の「三七(さんしち)」という名前には、この植物が育つまでの驚くべき歳月と特徴が表現されています。主に以下の2つの説が有名です。収穫までに3年から7年かかるから種をまいてから収穫に適した大きさに育つまでに、およそ3〜7年もの非常に長い歳月を必要とします。葉の数に特徴があるから茎から伸びる枝が3本に分かれ、それぞれの枝に7枚の葉がつく(三枝七葉)という独特の形状から名付けられたという説です。中国の現地や、伝統的な漢方の世界(中医学)では、古くから「三七(サンチ)」または「三七人参」と呼ぶのが一般的です。【表で見る】田七人参と三七人参の比較項目田七人参(でんしちにんじん)三七人参(さんしちにんじん)植物学的な違い全く同じ植物(ウコギ科人参属)全く同じ植物(ウコギ科人参属)名前の由来主な名産地「田陽」の地名から栽培年数(3〜7年)や葉の形状から主な使われ方日本の健康食品・サプリメントに多い中国現地、漢方・生薬としての伝統的呼称つまり、「日本で馴染み深いブランド名(田七)」と「歴史的・植物学的な本名(三七)」のような関係だと考えると分かりやすいでしょう。どちらの表記で売られていても、中身の植物自体に優劣があるわけではありません。 お金にも換えられない?「金不換」と呼ばれる歴史的背景田七人参(三七人参)の歴史は非常に古く、中国では何百年も前から特別な存在として珍重されてきました。中国の明代に活躍した高名な医学者・李時珍(りじちん)が著した、中国医学の至宝とも言われる世界的な薬物書『本草綱目(ほんぞうこうもく)』。この書物の中で、田七人参は「金不換(きんふかん)」という別名で紹介されています。「金不換」とは文字通り、「お金(金)を出しても換えることができないほど価値がある、非常に貴重なもの」という意味です。当時の中国では、一部の皇族や特権階級の人々しか口にすることができず、宮廷内でも極秘に扱われるほどの貴重品でした。なぜそれほどまでに珍重されたかというと、その栽培の難しさにありました。大地のエネルギーを吸い尽くす栽培の難しさ田七人参は、温暖で湿潤、かつ直射日光が当たらない特殊な山岳地帯の環境でしか育ちません。しかも、成長の過程で大地の栄養分(亜鉛、鉄分、サポニンなど)を驚くほど強力に吸い上げます。そのため、一度田七人参を収穫した後の土地は、すっかり栄養が抜け落ちてしまい、「その後10年間は雑草すら生えないほど荒れ果てる」と言われるほどです。一度収穫したら、その土地を長期間休ませ、大地の力を回復させなければ次の栽培ができません。この「大量生産が絶対にできない」という希少性と、長年の経験に基づく伝統的な評価が重なり、「金不換」という最高峰の呼び名が定着したのです。高麗人参との違いは?「人参」と聞くと、多くの方が韓国の「高麗人参(朝鮮人参)」や、普段料理に使う「野菜のニンジン」を思い浮かべるのではないでしょうか。ここで、それぞれの違いについても整理しておきましょう。野菜のニンジンとの違い私たちが普段食卓で食べているオレンジ色のニンジンは「セリ科」の植物です。一方で、田七人参や高麗人参は「ウコギ科」に属します。名前は似ていますが、植物としては全くの別物です。高麗人参(朝鮮人参)との違い同じウコギ科人参属の親戚ですが、育つ環境や含まれる成分のバランスに違いがあります。高麗人参: 主に寒冷な地域(韓国や中国東北部など)で栽培されます。田七人参: 主に温暖な高山地域(中国雲南省など)で栽培されます。特に注目すべきは、健康維持に役立つ主成分「サポニン」の含有量です。田七人参には、高麗人参を大きく上回る量のサポニンが含まれていることが分かっており、その圧倒的な濃厚さから「人参の王様」と称されることもあります。後悔しない!高品質な田七人参を選ぶ3つのチェックポイント現在、市場にはタブレット(粒)タイプ、粉末(パウダー)タイプ、お茶タイプなど、様々な田七人参製品が流通しています。せっかく毎日の健康維持に取り入れるのであれば、しっかりと実感できる高品質なものを選びたいですよね。原料の「頭数(とうすう)」を確認する田七人参の品質や価値を決める最大の指標が「頭数」です。頭数とは、「中国の500g(1市斤)あたりに、田七人参の根が何個(何頭)含まれているか」を表す単位です。頭数が少ない(例:20頭、30頭など)1個あたりの根が大きく、何年もかけて大地の栄養をたっぷりと蓄えて育った証拠です。非常に希少で、サポニンなどの有用成分がぎっしり詰まった最高級品とされます。頭数が多い(例:80頭、120頭など)1個あたりの根が小さく、育成期間が短いものです。比較的安価に入手できますが、成分の濃度はマイルドになります。本格的な健康維持を目指すなら、できるだけ大粒で栄養が凝縮された「頭数の少ない(20頭〜40頭クラス)」を原料に使用している製品を選ぶのがおすすめです。有機栽培(オーガニック)かつ「無農薬」であるか田七人参は数年もの間、土の中でじっくりと育ちます。そのため、土壌の環境がそのまま品質に直結します。一部の安価な製品の中には、栽培効率を上げるために化学肥料や農薬が大量に使われているケースも否定できません。毎日安心して口にできるように、「有機JAS認定」や「オーガニック認証」を取得しているもの、あるいは徹底した残留農薬検査をクリアしている製品を選ぶことが極めて重要です。パッケージやメーカーの公式サイトに、農薬や重金属の検査結果が明記されているかを必ず確認しましょう。添加物が極力少ない田七人参の味は、独特の強い苦味と、その奥にあるほんのりとした甘みが特徴です。「良薬口に苦し」という言葉通り、この苦味こそが有用成分の証なのですが、飲みやすくするために大量の賦形剤(余計な固形剤や甘味料、着色料などの添加物)を混ぜている製品もあります。田七人参(三七人参)で、内側からブレない健康ベースを作ろう今回は、田七人参と三七人参の違いをはじめ、その素晴らしい特徴についてご紹介しました。おさらいすると、田七人参と三七人参は全く同じ植物です。呼び名の違いは、名産地である地名(田七)に由来するか、その神秘的な成長の歴史や特徴(三七)に由来するかという違いだけでした。